最後の一人 パイソン・マケルヴィーンによる ホワイトリム・トレイルのFKTの探求

最後の一人 パイソン・マケルヴィーンによる ホワイトリム・トレイルのFKTの探求

2019年3月28日午前7時39分、パイソン・マケルヴィーンはキャニオンランズ国立公園にある伝説的な100マイルのホワイトリム・トレイルで、FKT(Fastest Known Time、最速タイム)を樹立するべく走り出した。

Red Bull Bikeが贈る新作映像『Standing Man』では、彼の挑戦への感動的な道のりを追い、数十年温めた夢の達成に必要なものに迫っている。

 

 

FKTのルールはシンプル。決められたルートを走り、タイムを記録し、それを公開するだけだ。この最速タイムは誰かに更新されるまでの間、個人の栄誉として生き続ける。

FKTは、アパラチアン・トレイルやバーモント州のロングトレイルといった歴史的ルートでのトレイルランニングで人気だが、マウンテンバイク界ではまだまだ知られていない。デュランゴ出身の口髭を生やしてマウンテンバイクに乗るカーボーイことパイソンは、それがサイクリング文化の主流となり得るよう、奮闘している。

そして、伝説的なルートに己の名を刻むという10年に渡る夢と共に、ユタ州キャニオンランズ国立公園にある100マイルのホワイトリム・トレイルでFKTの樹立を目指すに至った。

「上達する唯一の方法は、自分の限界を知ること。このエピックなルートを出来るだけ早く走り終えることで、僕の本当の限界に到達できると思ったんだ」と、彼は言う。

ネタバレ注意: 彼は15分差を付け、FKTを更新した。これは、記録以上に素晴らしい偉業だ。彼の挑戦により、マウンテンバイク界でのFKTの立ち位置や、それがこのスポーツの未来に与える意味に大きな注目が集まった

シンプルなものには美しさが宿る。トレイルにライダーが1人、時間と戦っている。レースのエントリー代も、ゼッケンプレートも、観客もなし。パイソンの目には、FKTが招待状に映る。パイソンと同郷の若手で、ジュニア全米チャンピオンを5度収めたクイン・シモンズが同ルートを別の場所からスタートとゴールしてパイソンのタイムを4分縮めると、彼は尊敬とプライドだけを感じた。

記録樹立後の数週間で、パイソンはまたホワイトリムを走ったが、このときはだいぶ気ままなペースだった。あるライダーが彼に追いつき、こう叫んだ。「ここにいるのは、君の挑戦のおかげさ!記録は破れないけど、自分がどこまでできるか、知りたかったんだ!」

パイソンが今まで受けた中で、一番の褒め言葉である。FKTは良い方向に広がりつつある。唯一の質問は、誰が次の1人になるか、である。

 

この記事を書いた人: Trek

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