自転車で世界を変えよう 自転車が人生を変えたストーリー紹介    

自転車で世界を変えよう 自転車が人生を変えたストーリー紹介    

開発途上国に暮らす人々の主な移動手段は、徒歩である。学校、市場、病院に行くにも、途方もなく長い距離を歩かなければならない。

NPO団体 World Bicycle Relief(WBR)は厳しい環境下でも長く使用できるバッファローバイクを世界へ提供している。100キロもの重量に耐えられるこの丈夫は自転車は、子供たちは学校へ、医者は患者の家へ、農家は市場へ行きやすくし、生活を支えている。

WBRから贈られたバッファローバイクの持ち主こそが、誰よりも自転車が与えてくれる力を痛感しているに違いない。彼ら12人のストーリーを紹介しよう。

スコラスティカ – 学生、ケニア

「自転車に乗っていると、男の子たちは羨ましがるの。だって、彼らより先に学校へたどり着いちゃうから。他の女の子たちと一緒に乗っているときは、一番楽しい。この自転車のおかげで自信がついたわ」

ジョージナ – 酪農家、ザンビア

長い間、ジョージナが一日に配達できる牛乳はたった1缶が精一杯だった。搾乳場から12km離れたところに住んでおり、徒歩以外の移動手段がなかったのだ。だが今は違う。「バッファローバイクが届いてからは、一日2缶の牛乳配達を欠かすことがなくなったの」

マリエンジェル – 学生、コロンビア

「マリエンジェルには明るい未来が待っている」と、彼女の祖母は言う。「自転車で学校へ行けるようになったから、卒業していつか家庭をもってもきっと豊かに暮らせるはずだわ。この自転車は神様がくれた贈り物ね」

チャリティー – 農業経営者、ジンバブエ

シングルマザーの彼女は、市場までの配達時に故障を繰り返す安物の自転車に悩まされていた。友人が乗るバッファローバイクを見た瞬間、彼女はこれだ!と思い、数ヶ月の節約ののち手に入れた。店から漕ぎ出した瞬間、彼女は「これで人生が変わる」と歓喜に震えた。4年が経った今、仕事用と息子の通学用として2台増やすことにした。

アレーニ – 学生、マラウィ

「バッファローバイクを受け取ってから、成績が良くなったの。早く、簡単に通学できるようにもなった。昔は友達から、わざわざ遠くまで歩いて学校に行く必要無いって反対されたけど、今は彼らも、いつか私みたいに自転車を手に入れて学校に行きたいって言っているわ」

ジャクトン – 起業家、ケニア

ジャクトンはWorld Bicycle Relief のテストライダーとして、バッファローバイクのデザインに関するフィードバックを返している。その大切な仕事と引き換えに、彼は5台のバッファローバイクを所有し、配達に使っている。「この自転車にはたくさんの荷物を載せられるから、多くのお客さんへ商品を届けることができた。時間通りに品物を届けられるからね」

ディルシャーニ – 学生、スリランカ

2004年スマトラ島沖地震で津波の被害を受け、WBRからバッファローバイクを受け取った一人だ。このバイクのおかげで彼女は学校を卒業し、看護師への夢が叶った。「このバイクが私に教育の機会を与えてくれたおかげで、夢を追いかけることができたの」と彼女は言う。10年後の今、その自転車は彼女の妹の通学に使われている。

ネボ – 医療従事者、ザンビア

ボランティアで介護活動をする彼は、HIVやエイズに苦しむ患者をバッファローバイクで訪ねて回る。友人のフランクが重篤になった時も、彼をバイクに載せ最寄りの診療所まで運ぶことができた。ネボのような医療従事者は、自転車があれば徒歩より88%も多くの患者の元に駆けつけ、必要なケアを行うことができるのだ。

エイヤン – 学生、ケニア

「最初は、イスラム教徒の女性だから自転車に乗っていると周りは驚いていました。でも、私が乗ることで、他のイスラム教徒の女性たちも乗るようになったんです。私が、新たな文化を生むきっかけとなって、女性だってバイクに乗れると示せたのが嬉しいです。何より大切なのは、立ち上がることだと思いました」。

ラス – バイクメカニック、ザンビア

2019年、彼女はパーツ購入のためにバッファローバイクの取扱店を訪れた。パーツを手際よく取り付ける姿に驚いたマネージャーは、彼女にWorld Bicycle Reliefのメカニックとして働くことを勧める。初の女性メカニックとして勤め始めた彼女は今、何人もの女性をメカニックに育て上げている。

ンガブーソ – メカニック、ジンバブエ

ンガブーソは、子供たちを助けるために、World Bicycle Relief のメカニック養成プログラムに参加した。「メカも好きで、子供たちを虐待から守る保育士としても働いているの。」ある日、少女が彼女のもとへ自転車の修理に訪れた。その少女は父親から虐待されていると打ち明け、身を寄せる場所を探していた。彼女は少女を受け入れ、衣服や薬を与え、必要な支援を受けられるようにした。

モニカ – 起業家、コロンビア

「世界中のコミュニティには、生活の支えとなる自転車がたくさんある。新型コロナウイルスの感染拡大中も人混みを避けて安全に移動できるから、とても助かっているわ。自転車は私の大切な相棒なの」。

この記事を書いた人: Trek