自国オランダで勝利を飾った精鋭たち
2021年11月6日にオランダのドレンテにて開催された「UECシクロクロスヨーロッパ選手権2021」にて、TREKがサポートを行うシクロクロスチーム「Baloise Trek」が女子エリート、男女U23の3カテゴリーで優勝。歴史的な勝利を飾った。
女子エリートでは現世界/ディフェンディングチャンピオンであるルシンダ・ブランドが後続に1分近い差をつけての勝利。男子U23ではラース・ファンデルハールが先行選手を追い抜き、優勝。そして女子U23のシリン・ファンアンローイは昨年大会覇者を抑えての勝利となった。
3人共にオランダ人。自国オランダにて、地元の観客に囲まれながらファン達を熱狂させた。
女子エリート:世界チャンピオンがレースを支配
ブランドは、シーズン序盤から昨年のような力強いスタートを飾れていなかった。
しかしこの土曜日、世界選手権優勝を含む多くの成績を残した昨年のように、再び支配的なレースで勝利を掴んだ。
後続のカタ・ブランカ・ヴァスに56秒の差をつけてフィニッシュラインを通過。ブランド自身がまだ獲得していなかったヨーロッパタイトルを、自国で手に入れた。
Our world champion is now also the European champion 🤩🤩
Phenomenal Lucinda. What a display of grit, class and power 🔥👏🔥#EuroCross21 #PodiumBoone pic.twitter.com/cjMdmrTTJQ
— Baloise Trek Lions (@Baloise_Trek) November 6, 2021
「シーズン序盤であるヨーロッパ選手権を優勝することが目標の1つでした。これまでにこのチャンピオンジャージを獲得したことがなく、今まで全てが期待通りにいきませんでしたが、今日は全てがうまくいきました。トレーニングで得たものをレースで発揮することができ、勝てたことはとても嬉しいです。再び自分の強さを見せることができたこと誇りに思います」と語る。
ブランドは10月のワールドカップ以降、レースで勝利を得られなかった。
ワールドカップでは2度表彰台に乗るなど自身のパフォーマンスに心配はなかったが、今回ヨーロッパタイトルを獲得したことでアスリートとしての自信を持つことができた。
「私はとても幸せです。チームメイト2人の優勝のおかげで、もっとさらに誇りを持てるようになりました。」
男子U23:「僕は人生最高のレースを走った」
ラース・ファンデルハールは、レース中盤にリスクを冒しながらバイク交換を行なった。
複雑なコースレイアウトによりピット内での作業が遅れ、ライバルのクインテン・ヘルマンズに大きなアドバンテージを与えることに。
ここから、ファンデルハールの長い追い上げが始まった。10周の内9周目でヘルマンズを捕らえた後、25秒の差をつけて勝利。今回のレースで最も強いライダーであったことを証明した。
「人生最高のレースでした。チームとトレックに勝利をプレゼントできて、とても嬉しく思います。レースでは全力を尽くしました。レース中にあれだけのタイム差をつけられるのは嫌でしたが」とコメント。
ファンデルハールは4周目でエリ・イゼルビットやチームメイトのトーン・アールツ含む5人の精鋭集団の中にいた。
ファンデルハールがピットで遅れ、再びアールツらに追いついた頃、既にヘルマンズは優勝に向けて王手をかけていた。
「最終的にはヘルマンズにだけ追いつけば良かったですが、最後の7秒を僕が詰めれるかはわからなかったです。でも、最後の1周は地獄のようでした。ペースを維持しながら順位を上げるのは本当に大変だったけど、その対価はとても大きかったです」と語った。
ファンデルハールは30歳にして、直近のワールドカップでは3度の表彰台を獲得。彼にとっては復活のシーズンとなっている。しかし、今回のレースはキャリアのハイライトとも言えるような勝利だった。
彼の自信はとても高く、残りのシーズンでの成功を示唆している。
Goosebumps @larsvanderhaar 😍😍 #EuroCross21
📸 @BelgaImage pic.twitter.com/TOKoG3JFBF
— Baloise Trek Lions (@Baloise_Trek) November 7, 2021
女子U23:ディフェンディングチャンピオンを抑えた勝利
同大会のディフェンディングチャンピオンや世界チャンピオンらを抑えて優勝したシリン・ファンアンローイは、レース序盤から早くも独走体制に持ち込んだ。
後続が猛烈に追い上げるも、ファンアンローイは2位に17秒、3位に1分の差をつけてゴール。
Such a happy day!! 🤗 @x_shirin #EuroCross21
📸 @BelgaImage pic.twitter.com/0qjHCWUkFZ
— Baloise Trek Lions (@Baloise_Trek) November 7, 2021
「本来であれば、序盤は先頭集団についていくつもりでした。しかし、ライバル達の落車により1人となってしまったため、選択の余地もないままただひたすらに走り続けるしかありませんでした。中盤以降は差を詰められましたが、自分の方がほんの少しだけ速いことに気づき、より集中力が求められる状況でした。完璧なレースでミスもなく、優勝ができました」とコメント。
ファンアンローイは、直近のワールドカップエリートカテゴリーで3回連続10位以内にフィニッシュ。
19歳の若手は、ケガにより昨シーズンを棒に振った勢いを取り戻しつつある。ヨーロッパタイトルを獲得したファンアンローイは、U23女子の中でも特に才能溢れるトップクラスのライダーであることを見せた。