グラベルならCheckpoint
Checkpoint(チェックポイント)は、砂利道の未舗装路”グラベル”を走ることに特化した、トレックのグラベルロード。グラベルサイクリングは、ここ数年でアメリカやヨーロッパを中心に人気の高まっているジャンルだ。
グラベルの人気が高まる中、フルモデルチェンジを果たしたCheckpoint SLR・SL・ALRが登場。
プログレッシブジオメトリーの採用により、グラベルの下りや高速域での安定性と操作性が向上。
プロジェクトワンでのカスタムオーダーも可能となった。
Checkpointはこちら→https://t.co/zZzMynGW0I pic.twitter.com/LYX9klBHg1— トレックジャパン (@TREKJapan) September 30, 2021
2018年に初登場したCheckpointだが、2022年モデルで初のモデルチェンジを果たした。
本記事では、新型Checkpointが旧型と比較して、どのような進化を遂げたのか、解説していく。
モデル比較
従来のCheckpointのラインナップはSL(カーボン)とALR(アルミ)の2種類のみで、主にバイクパッキングやグラベルサイクリングを楽しむためのシリーズだった。しかし近年のグラベルシーンでは、レースとして楽しむライダーも増えている。
そのような背景から、今回のモデルチェンジではレース志向のSLRを新たに加え、ライダーごとの用途や楽しみ方に応えられるラインナップ構成となった。
- Checkpoint SLR…グラベルレース向きのレーシングバイク
- Checkpoint SL…グラベルサイクリング/バイクパッキング向きのカーボンモデル
- Checkpoint ALR…グラベルサイクリング/バイクパッキング向きのアルミモデル
Checkpoint SLR
グラベルレース向きのレーシングバイク。フレームは軽量な700シリーズOCLVカーボンを採用。IsoSpeed、内部ストレージ、専用バッグなどを取り付けるマウントを搭載。
レーシングモデルであることから軽量性を優先し、フェンダーやドロッパーシートポストには非対応となっている。
フレーム素材:OCLV700カーボン
価格:881,100円(税込)から
※価格例はSLR6
Checkpoint SL
グラベルサイクリング/バイクパッキング向きのモデル。フレームは500シリーズOCLVカーボンを採用。重量を除けばSLRとほぼ同等のスペックであることに加えて、ドロッパーシートポストにも対応したミドルグレード。
フレーム素材:OCLV500カーボン
価格:379,500円(税込)
Checkpoint ALR
グラベルサイクリング/バイクパッキング向きのアルミモデル。フレームは丈夫な300シリーズのAlphaアルミニウムを採用。ラック、フェンダー、バッグ類のアクセサリーに加えて、ドロッパーシートポストにも対応し、コストパフォーマンスに優れたモデル。
フレーム素材:アルファ300シリーズアルミ
価格:269,500円(税込)
Domane/Booneとの違いは?
Checkpoint・Domane(ドマーネ)・Boone(ブーン)。どれも未舗装路での走行が楽しめるシリーズだ。
しかし未舗装路走行と言っても、シチュエーションはさまざま。この3つのモデルが得意とする走りには明確な違いがある。各モデルの特徴と違いを見ていこう。
Domane
振動吸収性に優れ、長距離の舗装路を快適に走る事に特化したロードバイク。
オンロードでの性能やハンドリングを優先したジオメトリーに加えて、太めのタイヤも装着が可能な事から、Checkpointほどではないが、ちょっとしたグラベルの走行も可能。
Boone
”自転車版の障害物競走”とも称される未舗装路のレース「シクロクロス」を走る事に特化したシクロクロスバイク。
速くて軽量かつ操作性に優れたバイクだが、長距離走行には向いていない。グラベルよりは、泥道を含む未舗装路の周回レースを、短時間高強度で走る事に適したバイクだ。
どう変わったの?
新型が旧型と比較して変わった点は、大きく分けて以下の3つだ。
- ジオメトリー
- 汎用性
- プロジェクトワン対応
1. ジオメトリー
1つ目の大きな変更点がジオメトリーの進化だ。ジオメトリーとは、フレームの長さや角度といった形状の数値のこと。
新型Checkpointでは、「プログレッシブジオメトリー」を採用し、フレーム各部の以下の点が変更となった。
- チェーンステイ長+1cm
- フレームリーチ+2cm
- ホイールべース+2.8cm
つまり、旧モデルに比べフレームの全長が長くなった。これにより、直線の高速域での安定性が増し、レースを走る方にも嬉しいアップデートとなっている。
ジオメトリーの変化に加えて、外観よりもÉmondaの空力性能を取り入れた形状になった。
2. 汎用性
今回のアップデートで格段に増したのが汎用性だ。以下に挙げるように、対応するアクセサリーの種類やサイズが増えたことで、用途に応じてさまざまなカスタマイズを楽しめるようになった。
- 対応アクセサリーの拡充
- タイヤクリアランスの拡大
- ダウンチューブストレージの搭載(SLR・SLのみ)
- ドロッパーシートポスト対応(SL・ALRのみ)
アクセサリー対応
一番大きな進化と言えるのが、従来であればストラップで固定していたバッグ類が、直付けマウントが搭載されたことでフレームに直接装着できるようになったことだ。
コンビニすらない道を長時間走るグラベルライドやキャンプ用品を積むバイクパッキングなど、荷物が多いシチュエーションでも能力を発揮するのがCheckpoint。
フレームに直接マウントできるCheckpoint専用フレームバッグや、1.5Lのハイドレーションパックが付属のハンドルバーバッグ、さらには最大9Lの積載量を誇るサドルバッグなど、機能性を存分に生かすためのバッグが新たに3種類登場した。
また、SLとALRモデルには、バイクパッキングに最適な「GR Eliteハンドルバー」を標準装備。
ドロップ部(湾曲している部分)が13度のフレア形状、つまり”ハの字”の形となっている。
荒れた道でも高い安定性と、大型のハンドルバーバッグを装着してもハンドルを握れる設計になっている。
タイヤクリアランス
旧型では、装着できる最大タイヤのサイズがフレームサイズによって異なっていたが、新型ではどのサイズでも最大45cまで対応に(標準装備は40c)。
レースや長距離のグラベルサイクリングでは細め、バイクパッキングやより荒れた路面を走るなら太めのタイヤと、幅広く選ぶことができる。
また、650×2.1サイズのホイールにも対応しており、自分に最適なスペックを選べるようカスタマイズの幅も広まった。
BB
フレームとクランクをつなぐパーツであり、ペダリングやバイクの性能にも影響するBB(ボトムブラケット)。
旧型ではBB90であったが、新型では「T47規格」を全モデルに採用。T47は整備性が良いだけでなく、クランクの互換性が高いこともメリットだ。
一般的な30mmスピンドル※2のクランクに装着可能となったことで、バイクカスタムの幅は更に広がった。
※2..回転軸の太さ
ダウンチューブストレージ(SLR・SLのみ)
Domaneや一部のマウンテンバイクなどに採用されていた「ダウンチューブストレージ」が、新型Checkpointにも新たに採用された。
予備チューブやタイヤレバーなど、パンク修理に必要なアクセサリー類を専用の「BITSバッグ」に入れてフレーム内に収納することが可能に。
パンク修理キットはサドルバッグやツール缶に収納するのが一般的だが、ダウンチューブストレージなら、見た目がスッキリするだけでなく、バイクの重心が下がるため直進安定性も向上する。
ドロッパーシートポスト対応(SL・ALRのみ)
SL・ALRモデルは「ドロッパーシートポスト」に対応したフレームに進化した(ドロッパーシートポストは別売り)。
ドロッパーシートポストとは、手元のスイッチでサドル高を調整できる可変式シートポスト。マウンテンバイクでは主流のシートポストだ。荒れた未舗装路を下る際に、シートポストを瞬時に下げられれば乗車中の重心移動も安易に。より快適かつ利便性の高い走りが可能だ。
3. プロジェクトワン対応(SLRのみ)
SLRモデルのみ、好みのペイントやパーツ構成で世界に1台だけのバイクをオーダーできる「プロジェクトワン」に対応。
完成車にはSRAMが標準コンポーネントとして搭載されているが、プロジェクトワンでは
- シマノGRX Di2
- SRAM Red eTap AXS
- SRAM Force eTap AXS
- SRAM Rival eTap AXS
の4種類から選べる。
また、ボントレガーのグラベル用ハイエンドホイール「Aeolus RSL 37V」と、タイヤサイドのカラーがブラウンのグラベル用タイヤ「GR1 Team Issue TLR」は、通常日本国内では単体で購入できないが、プロジェクトワンなら入手可能となった。
他のロードバイクでは選択できないSplatter Fadeのペイントも、Checkpointであれば可能となっている。
新旧Checkpoint比較表
まとめ
まとめると、新型Checkpointは、用途に合わせて選べるよう、新たにレース向けのSLRを加えた3モデルの展開となった。
- Checkpoint SLR(グラベルレース向き)
- Checkpoint SL(グラベルサイクリング/バイクパッキング)
- Checkpoint ALR(グラベルサイクリング/バイクパッキング)
旧型と比較して、変わった点は大きく分けて3つ。
- ジオメトリー(外観含む)
- 汎用性
- プロジェクトワン対応
近年盛り上がりを見せるグラベルシーン。グラベルバイクがあれば、普段ロードバイクでは走れないようなルートや、バイクパッキングを通じた非日常的な体験が楽しめる。
グラベルファンはもちろん、自転車の新しい楽しみ方を求める方に強くオススメできるバイク。それがCheckpointだ。