走りと印象を変えるバーテープ
「バーテープ」とはロードバイクのハンドルに巻くテープのこと。
色やデザインで見た目の印象が変わるだけでなく、素材や厚みによって握り心地や衝撃吸収性も変わるなど、意外と走りに影響を与えるパーツだ。
バーテープをカスタムすることで得られるメリットは?
バーテープをカスタムすることは以下3つのメリットもある、費用対効果の高いカスタマイズだ。
- 見た目の印象を変えられる
- 握り心地が変わる
- 安全性を高められる
1. 見た目の印象を変えられる
バーテープは、バイクに占める面積が意外に大きい。
バーテープを違う色のものに交換するだけでもバイクの見た目の印象はガラッと変わる。長く乗り続けている愛車のルックスにマンネリを感じ始めているなら、色を変えるだけでも見違えるはずだ。
たとえ仕上がりが思い描いたイメージとは違ったとしても、次回また違うアイテムを選べば良いだけ。出費も数千円程度のため、フレームを塗装するよりはるかに安い金額でバイクのイメージチェンジができる。
2. 握り心地が変わる
バーテープはライダーとバイクとの数少ない接点のひとつ。直接手に触れるものだからこそ、カスタムした際の変化が分かりやすい。
厚手のバーテープであれば路面からの衝撃を和らげて快適な乗り味に。薄手のバーテープはダイレクト感が増し、スプリントなどハンドルを強く握り込む際にもより力が入ることでパフォーマンスアップにもつながる。
3. 安全性を高められる
グリップ力が高いバーテープに変えれば、雨の日やグラベルなど、手が滑りやすいシチュエーションでも安全にライドを楽しめるようになる。
また、蛍光色など目に付きやすい色のものを選んだり、反射塗料が塗られているものを選ぶことで、ドライバーからの被視認性が高まり、事故を未然に防ぐことにもつながる。
バーテープを選ぶ5つのポイント
数あるバーテープの中から自分に合ったものを選ぶにあたり、注目すべきポイントを5つ紹介する。
選び方のポイント1. 素材
バーテープの素材は様々。
大まかにコルク、レザー、コットン、新素材(ポリウレタンやEVAなど)などがあり、それぞれに価格や特徴に違いがある。
- コルク
昔からあるポピュラーな素材のひとつであり、比較的安価なものが多い。クラシックなバイクから最新のカーボンフレームのバイクまで、どんなバイクと合わせられる。表面は滑らかで、汗や雨などで手が濡れた状態だとやや滑りやすいが、滑り止め防止のためのヘアライン加工や穴あき加工を施したモデルもある。
- 革(レザー)
革製のバーテープは、昔からあるが今ではかなりの少数派。価格は他の素材のバーテープと比べると高いが、手入れをすれば長く使えるという特徴があり、耐久性を加味するとランニングコストはそれほど高くない。握り心地は硬めのものが多く、汗や雨などで手が濡れた状態だとやや滑りやすい。クラシカルなスチールフレームとも相性がいい。
- コットン
コットンも昔からあるポピュラーな素材のひとつ。薄手で価格が安いのが特徴。スチールフレームなどクラシカルなフレームとも相性がいい。一方、薄いため振動吸収性はあまり期待できない。コルク製のバーテープなどと比べて伸びにくいので、きれいに巻くにはコツがいる。表面はややざらっとしたものが多く、汗や雨で濡れた手でも比較的滑りにくい。
- 新素材(ポリウレタンやEVAなど)
最近勢力を拡大しているポリウレタンなどの新素材を素材とするバーテープ。比較的安価なものが多いが、中には複数の素材を組み合わせた高機能・高価格なものもある。クッション性に優れる製品が多いのも特徴だ。グリップ力は製品によってまちまちだが、コルクやレザー、コットンなどの天然系素材では実現できないような手に吸い付くような高いグリップ力を発揮するモデルもある。
選び方のポイント2. 厚さ
バーテープの厚さは、握り心地を左右する重要な要素のひとつ。厚さの違いは、素材の違いや衝撃吸収材のゲルを内蔵しているかなどによって生じる。
厚さを比べると、薄手のバーテープはダイレクト感があり、厚みのあるバーテープは衝撃吸収性に優れている。ただし、厚みのあるバーテープを巻くと、その分ハンドルの直径が太くなる。手の小さな人はハンドルが握りにくく感じてしまうこともあるため注意しよう。
薄手のバーテープは、衝撃吸収性に乏しく、ロングライドなどでは路面の衝撃が手に伝わって気になることも。そのような場合は、手のひらの部分に厚めのパッドが入ったグローブを使うことで不快さが解消される。
選び方のポイント3. グリップ力、表面の滑りにくさ
バーテープはライダーの手やグローブに直接触れるので、走行中に雨や汗で手が滑りづらいことも重要だ。
滑りにくいバーテープの特徴としては、表面にヘアライン加工や穴あき加工が施されていたり、粘性が高い滑りにくい素材を使っているものが挙げられる。一方、表面がつやつやで滑らかなバーテープは、雨や汗でグローブや手が濡れると滑りやすいものも少なくない。
選び方のポイント4. 色やデザイン
バーテープはバイクのルックスにも大きな影響を与える。
握り心地よりも見た目を変えることが目的なら、カラーコーディネートに気を配りたいもの。バイク単体で見たときに、「トータルの色数を3つ」までに抑えるとすっきりした印象になるはずだ。
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フレームやサドルなどのパーツと同系色か差し色に使われている色を使えば間違いない。黒っぽいフレームならあえて赤や青、ネオンカラーなどの鮮やかな色を差し色として使うのも良いだろう。安全性を重視するなら、蛍光色のような視認性の高い色のものを組み合わせるという方法もある。
バーテープによってはロゴがプリントまたはエンボス加工されていたり、柄や模様が入っていたり、途中でまったく別の色に変わるものもある。こうしたテープをうまく使うことで、個性を主張することもできるだろう。
クラシックな雰囲気のある細身のスチールフレームのロードバイクの場合、コルクやレザー、コットン製のバーテープも、独特の雰囲気が出て味わい深いとなりおすすめだ。
バイク単体でなく、よく着るウェアやヘルメットとも調和が取れれば統一感を生み出せるだろう。
選び方のポイント5. 伸縮性の高さ、巻きやすさ
バーテープはコツさえつかめば自分で巻くこともできる。
もし自分でバーテープを巻くなら、巻きやすさも重要だ。ハンドルバーのドロップ部分の曲線やブラケット付近、フラット部の肩のところなど、カーブがきついところや巻き方が変わる部分は、バーテープを適度に引っ張りながら巻くことがキレイに仕上げる重要なポイント。そのため、ある程度伸縮性のあるバーテープの方が上手に巻きやすい。
ロゴや模様の有無によってもキレイに巻く難易度が変わる。ロゴや模様が一定のパターンで規則的に描かれているバーテープは、模様がずれると不格好に見える。これを防ぐには一定の力加減でバーテープを引っ張りながら巻く必要があり、かなり難易度が高い。自分でうまく巻ける自信がない人は、無地である程度伸縮性のあるバーテープを選ぶのが無難だろう。
Bontragerおすすめバーテープ
ここからはBontragerのバーテープのラインナップの中からおすすめのモデルを4つ紹介する。
Gel Cork
価格とカラーバリエーションの豊富さが魅力のベーシックなモデル。
天然コルクの優しい手触りを生かしたバーテープ。厚さは2.7mmと標準的だが、内側に衝撃吸収性を高めるゲルテープを組み合わせ、ライド中の快適性を向上させている。適度に伸びやすくて巻きやすい上、裏面に粘着テープがないので、巻き直しも簡単。外した後もハンドルバーに粘着テープが残らない。カラーバリエーションが全11色あり、さらにVisibilityシリーズの蛍光オレンジ、蛍光イエローを加えると全13色から選べるのも魅力。自分のバイクに合うカラーがきっと見つかる。
Perf Line
穴あきのルックスが個性的なクッション性の高いテープ。
粘着力の高い素材を表面に使い、パンチング加工を施した穴あきのルックスが個性を主張するバーテープ。内側に衝撃吸収フォームを用いることで、グリップ力と衝撃吸収性を高めている。厚さは2.7mm。カラーはホワイトとブラックの定番2色から選べ、どんなバイクにもマッチしやすい。適度に伸びやすく、巻きやすいのも特徴だ。
Supertack
グリップ力と高いクッション性を両立。幅広いサイクリストに。
手に吸い付くような粘着力のある素材に、無数に散りばめられた細かい突起とBontragerの「b」ロゴが特徴のバーテープ。内側に衝撃吸収フォームを用いて、グリップ力と衝撃吸収性を高い次元で両立している。厚さは2.7mm。カラーはブラック、ホワイト、ブルー、レッドの定番4色から選べるのも魅力。適度に伸びやすく、巻きやすいのも特徴だ。
Grippytack
超薄手で抜群のグリップ力。レース志向のサイクリストに。
厚さ1.6mmと、今回紹介するバーテープの中では最も薄手。握ったときのダイレクト感が高く、レース志向のサイクリストには特におすすめのモデルだ。表面には手にしっかりと食いつくようなグリップ力の高い素材を使用し、格子状の細かい模様とパンチング加工を組み合わせることで、あらゆるコンディションで安定して高いグリップ力を発揮する。内側に用いられている衝撃吸収フォームがパンチング加工の穴から見え、アクセントカラーになっているのも個性的だ。
自分好みのバーテープを見付けよう
バーテープを選ぶポイントは、色だけではない。ライダーとの接点であるだけに、握ったときの感触や衝撃吸収性、手が滑らないグリップ力なども重要。自分で巻く場合は巻きやすさもポイントになる。Bontragerではさまざまな種類のバーテープが用意されている。いろいろ試して自分好みの製品を見付けよう。